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(3)非認知能力を向上するために必要なこと

非認知能力を向上するために、大切な POINT が3つあります(図表4再掲)。先の事例に挙げたすべてのプロジェクトは、下記の POINT を踏んで実践しています。


POINT1:子どもと大人が「ありのままの自分」で居られる関係性が築かれている 

POINT2:子どもの可能性を心から信じ、主体的に考えたり決めたりすることを大切にするスタンスで大人側が見守る 

POINT3:大人も本気になり、本物と出会う経験・機会を用意する 

POINT4:全ての過程と失敗が学びであると大人側が捉え、フィードバックする


私たちも失敗や成功を重ねるなかで、「何をするのか」ということも大切ですが、「私 たち大人がどのようなスタンスでいるか」という『あり方』が子どもたちの成長に大き く影響することに気が付きました。

決して、プロジェクトを達成させようと、大人が考える結果へ導いたり、達成するこ とだけに囚われたりしてはいけないのです。

POINT1:子どもと大人が「ありのままの自分」で居られる関係性が築かれていること 

STORIA の核となる価値でもお話ししましたが、「ありのままの自分」でいられる関係性については、『“being(存在)”を受け止めること』が鍵となります。 そのような環境をつくるには、私たち大人自身も『自分の“being”を大切にしてもら う経験』が大切です。子どもにとっての安全地帯があることで「やってみたい」「チャレンジしてみよう」という気持ちが生まれます。

POINT2:子どもの可能性を心から信じ、主体的に考えたり決めたりすることを大切 にするスタンスで大人側がいること

子どもの可能性は無限大ですが、その可能性を閉ざしてしまう原因は環境にあります。その環境には物理的なものと心理的なものがあります。心理的な面としては、「子 どもだからこれくらいしか出来ないよね」という、大人側の傲慢な気持ちが影響し、可 能性を閉ざしてしまうことも少なくありません。大人自身が勝手に子どもの可能性を 決めつけないことが大切です。

また、大人側のスタンスとして、「子ども自身が考え決めることを支える」という姿 勢がとても重要です。大人は子どもに先回りをして、意見を出したくなってしまうこと がしばしばあるのですが、忍耐強く子どもを信じ、子どもが考えること、そして決める ことを見守ります。これについてはスタッフやボランティアなどの関わる大人が一致 したスタンスを持つことが大切です。

子どもから「教えて欲しい」「相談したい」と言われた時には、「一意見として」とい うスタンスで話します。子どもたちが主体的に考え、決め、アクションしたことは、成 功も失敗も含めて、子どもたちが自信を付ける大きな成長の機会となります。

POINT3:大人も本気になり、本物と出会う経験・機会を用意する

子どもたちの本気に応えるため、プロジェクトの実施する場所はリアルの場を用意 します。また、その道の専門家にも会う機会を用意します。ここで子どもたちは「本気 スイッチ」が入ります。リアルで本物の場所と人に出会うことにより、子どもたちのク リエイティブがさらに発揮されますし、チームで乗り越えようというという気持ちが 醸成されます。

POINT4:全ての過程と失敗が学びであると大人側が捉え、フィードバックする

プロジェクトを進めるにあたり、大人は「成功させてあげたい。」という衝動にから れます。もちろん大切な気持ちではありますが、目的と手段を間違えてはいけません。 失敗を恐れているのは大人です。成功も失敗もすべてが学びであり、そこから『何を 得られたのか』がとても大切です。子どもの頃から「失敗」を「学び」に変えること、そもそも「失敗」というものは無いんだということに気づくことが大切です。

大人は子どもたちが安心して失敗ができるよう、自分たち自身が失敗を恐れないこ とが重要です。そして失敗した場合はその出来事と子どもたちの感情を受け止め、「悔 しかったね。成功に近づく方法を学べてよかったね。次はどうしようか。」と言ってあげましょう。それが、子どもたちにとって「安全地帯」となるのです。

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