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(3) 具体例から考える

1)K くんのケース

M くんは小学校 2 年生の男の子です。

K くんの家庭は母子家庭です。K くんが生まれてまもなくお母さんとお父さん は離婚をし、誰も知り合いがいない場所に引っ越しをしてきました。K くんのお 母さんは非正規雇用で、飲食店の店員を掛け持ちしながら仕事をしており、朝の 5 時から勤務をし、夜の 8 時過ぎに帰宅します。もちろん土日も同じ時間帯に出 勤し帰ってきます。

K くんが朝起きるころ、お母さんはもう仕事に出ているので、K くんは遅刻が 多くなっていました。また、K くんの髪はいつも脂っぽくホコリやフケがありま した。夜、K くんはお母さんの帰りを待っているうちにお腹が空くため、少しの お菓子を食べて待っているといいます。お母さんの帰りを待ってはいるものの疲 れて寝てしまう、そんな毎日を過ごしていました。

K くんのお母さんは私たちにこう話してくれました。「体力的には大変ですが、 それでも今の仕事で稼げるのはやっと月に 12 万円です。このまま続けたら体が 壊れると思いますが、辞められないのです。辞めたら生活が壊れてしまうから。」

2)A ちゃんのケース

A ちゃんの家庭は母子家庭です。A ちゃんは精神疾患を抱えるお母さんと暮ら しています。

お母さんは、何事にも一生懸命まじめに取り組む方で、自分が病気になったこ とや子育てがきちんと出来ていないこと、経済面で苦しい状況にあることに対し 罪悪感を持っていました。

A ちゃんは低学年ながらもお母さんに心配をかけないように精いっぱい気丈に 振舞っていました。お母さんと離れて私たちの活動に参加すると、スタッフや他 のお友達に乱暴な言動を繰り返します。学校でも同じ状況で、問題児扱いされ、 友達が離れ、孤立していきました。

ある日、A ちゃんは私たちに泣きながらこう言いました。「学校では自分のこと 分かってくれる人はいない。どうせ私なんていなくなればいいんだ。死んだほうがましなんだ。」と。

また、A ちゃんは食が細く、食べ物の好き嫌いがとても多いのが気になりました。お母さんが病気のため、あまり食事が作れず、いつも「素うどん」を食べて いるということでした。

A ちゃんのお母さんは、実はひとり親家庭で育ってきたという過去がありました。

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