STORIA は 2016 年から活動を行ってきましたが、設立から 5 年目にしてやっと、わた したちが大切にしている価値観を言語化することができました。
それは「人は存在しているだけで価値がある」ということです。
私たちの社会では、学校や仕事、そして様々なコミュニティの中で、自分自身の“being (存在)”を大切にするよりも、「価値あることをしなければならない」という“doing(す ること)”を中心的な価値として認められる傾向が強くあります。
子どもたちも一緒です。
STORIA に来る子どもたちは、様々な重荷を背負って生きています。自分ではどうし ようもない環境や感情と葛藤しながら、活動場所にやってくる子も少なくありません。 そうした子どもたちは、「苦しいよ」という声にならない気持ちを、言動を通じて表現し ます。苦しさゆえに、時に暴力的だったり、ぶっきらぼうに見えたり、反抗的に見える こともあります。また大人が期待する行動とはそぐわないこともあるでしょう。しかし その言動だけを見て注意をしたり、叱っても子どもたちの「苦しさ・辛さ・寂しさ」は 拭えないのです。
子どもたちの“being(存在)”を受け止めること。
それは簡単なことではありません。なぜなら私たち大人自身が“being”を受け止めら れた経験が少ないからです。だからこそ、私たち大人自身が自分の“being”を大切にし てもらう環境が必要なのです。
これは、STORIA の活動における、大切な立脚点です。これが起点となり、STORIA の 大切な価値が生み出されています。
STORIA の核となる価値は、『「ありのままの自分」を受け止めてくれる環境が、継続 的かつ安定して提供されている』ことだと私たちは考えます。
そこから得られる経験や体験を通して、子どもたちや保護者、さらにはそこに関わる スタッフやボランティア、プロボノ、そして地域の方々の双方向による変化が生み出さ れていくことに私たちは気づかされました。