K くんのケースからは、非正規雇用で働く母親の長時間労働の厳しい状況と、それに よる子どもへの影響が感じられます。また A ちゃんのケースからは、精神を病んでしま った保護者を気丈に支えようとする様子と、一方でそれが子どもにとって、大きな精神 的負担になっている様子が見て取れます。
ひとり親家庭・困窮家庭と言っても、様々な事情を抱えており、一色淡には括れない・ 括ってはいけないと私たちは思います。しかし、K くんや A ちゃんのような事例は、決 して珍しくないことも事実です。
「子どもの貧困」という課題においては、経済的支援と同時に、保護者と子ども、そ れぞれに対する精神的な支援が必要です。
今の日本では、家庭や学校教育だけではカバーしきれない状況が多々起きています。 これは、「学校や家庭に問題がある」とうことではなく、日本に起きている社会の課題 が全て地続きとなっている結果として表れている現象だと私たちは認識しています。
一人ひとりの子どもたち、そして保護者を取り巻く環境をどうしたら改善できるの か、子どもたちや保護者の貧困が断ち切られ、ともに自分らしい幸せな生き方ができる ようになるにはどうすればよいのか、STORIA は今もなお、考え続けています。